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撮影記や機材・ギアレビューなどの雑記帳

【レビュー】スペックからは分からないα7Ⅳのあれこれ

久々の投稿ですがいきなり大物のレビューです。

買っちゃった……。

ということで「α7Ⅳ」のレビューを行っていきます。

 

 

スペックから分かる内容では意味がない

しかしながらレビューすると言ってもα7Ⅳは人気のカメラ、レビューはあちこちに溢れています。

主に見かけるのは以下のような内容です。

 

【良い点】

・扱いやすい3300万画素

・レスポンス、メニューの改善

・AF性能

・露出補正ダイヤル廃止

・レンズ交換時のシャッター幕

・動画撮影時のブリージング補正

・グリップ性向上

 

【悪い点】

・価格

・連射性能

・センサーシフト式のアンチダスト機能

・4K60p撮影時のクロップ

 

はい、正直どこのレビューも似たり寄ったりの内容でスペックを見ればわかるようなことしか書いていません。

買わなくても分かるような内容なので試用だけでレビューしている場合もありそうです。

 

そこで今回はちゃんと「使っている」人にしか分からないような、細かい点をレビューしていきたいと思います。

 

良い点

露出補正ダイヤルの変更

いきなり他のレビューと同じ内容かと思われるかも知れません。

もちろん露出補正ダイヤルが汎用ダイヤルに変わったのは良いことですが、ここで挙げているのは別の内容です。

 

指の掛かりが良くなった

ダイヤルの側面を見るとα7SIIIと比べて加工が変わっていることが分かります。

左:α7Ⅳ 右:α7SIII

少しのことですが効果は絶大で格段に指の掛かりが良くなっています。

α7SIIIの場合は指が滑らないように力を入れて回すか、場合によっては指二本でつまんで回していました。

α7Ⅳでは親指のみで簡単に回せるようになっています。

 

音がしなくなった

α7SIIIのダイヤルは回すとカチカチと音がしますがα7Ⅳのダイヤルはほぼ無音です。

細かい点ですが改良されています。

 

ストラップ金具の変更

α7SIIIと同様にカチャカチャしなくなりました。

動画撮影時に音声を撮る場合には割と重要です。

 

バリアングルの開けやすさ

チルトとバリアングルは賛否両論ありますが、縦位置撮影を考えた場合個人的にはバリアングル一択です。(もしくは三軸チルト)

バリアングルに変わったα7Ⅳですが、α7SIIIと比べても改良されています。

 

改良されたのはモニタ収納部の切り欠きの位置です。

左:α7Ⅳ 右:α7SIII

α7SIIIは右上に切り欠きがありモニタ右上もしくは右下に指をかけて開けるような方式でしたが、指の掛け方が今一つ不自然で若干開けにくいです。

α7Ⅳの場合は右下に切り欠きがあり、モニタを開く動作が楽に行えるようになっています。

 

フォーマットの高速化

フォーマットがクイックフォーマットになり高速化しました。

これまでフォーマットの遅さにいらいらする場面もあったので非常に嬉しい改善点です。

もちろん今まで通りのフルフォーマットも行えます。

 

気になる点

背面素材がプラスチック

外装の背面がプラスチック(SORPLAS)です。

それなりに高額なカメラなので全面マグネシウム合金でないのは残念です。

まぁ同じ値段帯のEOS R6は外装全面プラスチック(ポリカーボネート)なのでそれよりはましなのですが……。

その背面素材のせいであるかは分かりませんが、以下が若干気になります。

 

ボタンの押し心地

α7SIIIと比べると若干ふにゃっとした押し心地です。

比べなければ気にならないかとは思いますが……。

 

ボタンを押したときの音

α7SIIIがカチカチとしたしっかりした音であるのに対して、α7Ⅳはパコパコと空気を含んだような音がします。

特に背面ダイヤルの中央ボタンなどは顕著です。

 

背面ダイヤルの固さ

α7SIIIよりもダイヤルの動きが若干固い(滑らかではない)です。

ただ滑らかすぎても気づかないうちに回ってしまう場合があるため、人によっては良い点かもしれません。

 

メディアスロット2が若干引っかかる

メディアスロット1はCFexpressTypeAとSDカードの兼用で、私はSDカードしか使っていませんが問題なくスムーズに使用できます。

しかしSDカードのみ使用可能なメディアスロット2は何故か若干引っかかりがあり、SDカードの出し入れが少ししづらいです。

非常に細かい点ですが使用頻度が高い部分なので挙げておきました。

 

レンズ交換時のシャッター幕

各所のレビューで高評価を得ているこの機能。

普通にカメラを使用している人であれば分かると思いますが、正直無駄な機能です。

 

シャッター幕は非常にデリケートなためブロアーも使用できず、シャッター幕にゴミが付着した場合、結局センサーにゴミが落ちる可能性もあります。

このような無駄な機能を省き価格を安くするか、超音波式のアンチダスト機能を搭載してほしかったなと思います。

 

まとめ

まさに「Beyond Basic」

スペックで見ても十分な性能を持つα7Ⅳですが、スペックからは分からない細かい点も着実にブラッシュアップされています。

上位機種と比較した場合に質感などで若干劣るのも事実ですが、価格に対する性能は上位機種を上回る部分も多く、キャッチコピーである「Beyond Basic」を体現したカメラであると言えます。

メインカメラにするのはもちろんのこと、上位機種のサブカメラとしても違和感なく使用できる非常にお勧めのカメラです。